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「飛越暮らしの実践者から紐解く、町と暮らしの関わり方とは?」飛越暮らしのMeetup vol.1 レポート前編

 

Introduction

はじめに

 

2022年12月14日、「飛越暮らしのMeetup vol.1」を開催しました。テーマは、「地域の活動とライフスタイル」。「事業開発・PR・プロジェクト運営、」「宿泊施設の運営、」「家具製制作など」とさまざまなバックグラウンドを持つゲストから、日々の活動や暮らしについてお話をうかがいながら、飛越エリアと自身の関わり・ライフスタイルについて、意見を交わしました。前編・後編にわたり、当日の様子をヒダクマの藤澤がレポート。前編では、本企画の趣旨、登壇者のプレゼンテーションを中心に、後編では、登壇者全員によるトークセッションの様子をお届けします。

 

Writing: 藤澤 祐里佳 Editing: ヒダクマ編集部

 

「飛越暮らしのMeetup」とは?

富山と飛騨地域一体を指す飛越エリアで活動する「人」にスポットをあて、活動やアイデア、想いを互いにシェアするネットワーキング&プレゼンテーションイベント。2022年9月、富山にオープンした「捨てるをまわす、くらしをつくる」をコンセプトに、モノの循環を体験・体感できる複合施設「トトン」と、岐阜県飛騨市を拠点に森の活用・循環・価値創造に取り組む「ヒダクマ」との共同で企画・運営し、定期開催します。

 

【イベント概要】

■  日時:2022年12月14日(水)
■ 場所:トトン(富山県富山市問屋町1丁目9-7)、オンライン(Zoom/Youtube)

■ 登壇者:
岡山 史興(70seeds 株式会社 代表取締役編集長/あたらしい学童保育「fork」代表)
笹倉 奈津美(HOUSEHOLD)
松原 千明(株式会社木と暮らしの制作所 取締役)
増山 武(株式会社米三 常務取締役)
岩岡 孝太郎(株式会社飛騨の森でクマは踊る 代表取締役社長/CEO)

■ イベント詳細:
https://hidakuma.com/events/20221214_hietsu-lifestyle-meetup-vol-1/

 

イベントレポート後編はこちら:

https://hidakuma.com/column/20221214_hietsu-%E2%80%A6p-vol-1_report02/

 

 

これからの飛越暮らしを交流の中から生み出す

はじめにトトンの増山さんより、飛越暮らしのMeetupの企画に込めた思いを伺いました。

江戸時代には富山から90km程離れた飛騨高山まで、歩荷(ボッカ:山を越えて荷物を運ぶ仕事をする人のことで3日間かけて正月用のブリを運んでいました。そのルートは『ブリ街道』と呼ばれており、古くから経済的・文化的に様々な結び付き、交流があったことを示しています。現代でも、『ブリ街道』と呼ばれてきた飛越エリアは豊かな自然、水、食、文化、産業などを通して独自のライフスタイルが存在します。まずは、そのライフスタイルを紐解いていくことをミートアップでは目指します。

 

「森の中の循環をテーマに新しいモノ・コトづくりをしているヒダクマ(飛騨)と、捨てられるものから新しいモノ・コトづくりをしているトトン(富山)。2社の視点を重ね合わせるだけでなく、大きな活動の輪として飛越エリアの豊かな暮らしの実践者やクリエイター、デザイナー、ものづくりに関わる人たちが集まったコミュニティづくりを行い、新たなものを生み出していきたい」とMeetupについての意気込みを語った増山さん。

 

続いてヒダクマ代表・岩岡からは飛騨の暮らしとヒダクマの取り組みを紹介。

 

 

「飛騨の魅力から言うと、夏はキャンプ、サウナ、渓流釣り、トレイルランニング、冬はスキー、スノーボード、スノーランニングなど。それを司るものが”「飛騨の森」”であり、私たちはそれを楽しませてもらっています」

 

 

「地域に目を向けると、飛騨市の93%は森、そのうちの7割が広葉樹。そのうち95%がチップになってしまっていることが現状だが、その広葉樹を新たな価値に変え、豊かな暮らしや自然環境を未来に繋げるチャレンジをすることがヒダクマの使命」と語りました。

 

 

日本一小さな村、富山県舟橋村での4年間の暮らしとこれから

 

ひとり目のゲストは、70seeds 株式会社 代表取締役編集長/あたらしい学童保育「fork」代表である岡山さん。長崎に生まれ、祖父が被爆者であることから被爆者の体験を世界に発信する平和活動を高校時代から行っていたそう。「長崎・広島とそれ以外」という平和への意識の差に課題を持ちデジタルやイベント、アートと結びつけて発信をしてきた方です。

 

 

その後も様々な手法や考え方で平和を伝えていく取り組みを続けられ、PR会社に就職し、町工場発のプロダクトの立ち上げや地方のビジネス支援するようになったという岡山さん。地方から魅力あるものを世の中に出していくことを後押ししていく中で、平和というものが大それたものではなく、地域に根ざしている一人ひとりが自分の暮らしや生業を豊かにしていくことや、自分の納得している人生を送ることが平和のベースになると気づいたそう。

その後、スモールビジネスや地域への貢献をミッションに独立。ウェブメディア「70seeds」の運営、企業・地域のブランド戦略立案、PR支援、新規事業開発等を手掛けながら、子育てのために日本一小さな村である富山県舟橋村に移住されました。

 

2022年7月には息子を通わせたい学童がなかったことをきっかけに、保育料負担ゼロの学童保育施設「fork」の運営をスタートしました。forkのコンセプトは、共感してくれる人を巻き込み、面白い大人が子育てに参加していく、みんなで経済的に支え合う経営の仕組みで運営する『子育てをみん営する』というもの。

「行政に頼る子育てではなく、周囲に自分たちの暮らしは自分たちで守っていかなければという意識が高い人が多かった。そこが町の魅力であり、土地で培われてきた価値観が素晴らしいと感じています。住んでいる場所によって選択肢が限られるのではなく、暮らし方や生き方でいくらでも選択肢が増えていくという姿を見せていくことが、地域を盛り上げていくヒントになっていくのではないか」とまとめてくださいました。

 

 

東京のサラリーマン夫婦がたまたま移住した氷見という町でたまたま出会った古いビルで宿を始めたら

 

ふたり目のゲストである宿・ギャラリー・喫茶「HOUSEHOLD」を運営されている笹倉奈津美さん。

 

 

HOUSEHOLDのある富山県氷見市は海越しに眺める立山連峰、新鮮なお魚や温泉という水産業や観光業のイメージが強い。「自然が豊かで食べ物が美味しい。でもそれって意外と地方はどこでもそう言える気がしていて。私たちがいいと思ってるところは、そういうところももちろんですが氷見のまちの営みにあると思っています」と笹倉さんは語ります。

 

笹倉さんが魅力的に感じるまちの営みを表すひとつが、氷見のローカルなスーパーでの光景。12月には最盛期を迎えたブリが並ぶそう。漁師のおじいさんたちとの交流など、そこに暮らしてる人の日常に面白みを感じているそう。

そんな日常が面白いまちで「勝手口からの旅」というコンセプトで1日2組限定の宿を営むHOUSEHOLD。コンセプトに込めた思いを笹倉さんはこのように話してくれました。

「正面玄関から入るお客さんではなく、勝手口から住む人のプライベートな場所である台所にいきなりお邪魔する感じがいいと思っています。サザエさんで言うサブちゃんみたいな。わかりやすい観光ではなく個人個人の旅の嗜好に応じて過ごし方・楽しみ方を提案する、富山や能登の豊かな食文化に触れ、実際に作って食べるという体験を味わってもらえる宿です

 

時には宿泊者の方と地元のスーパーに買い出しツアーに出かけ、地元の人じゃないと意外と知らない食べ方を案内する。泊まることだけでなく、1日を過ごしまちの暮らしを体験すること。 チェックインから、まちに出てもらって料理をするところを全部含めた形での宿泊体験を提供しているそう。

 

最近では、近所のおじさんから地元の人以外のお客さんが来るようになってすごく楽しくなったと言ってもらったそう。「起きた変化はすごい小さなことですが、確実に私たちと周りの人たちを楽しい方向に変えてくれてると思っています。少しでも氷見の日常が伝わると嬉しい」と勝手口からまちに繋がった氷見の日常を覗くことができました。

 

 

森と木と飛越の暮らし

3人目のゲストはヒダクマともゆかりのある、木と暮らしの製作所 取締役 松原千明さん。京都に生まれ、富山で学生時代を過ごし、フィンランド留学、愛知の陶芸会社を経て飛騨に移住されました。


 

富山を表現する時にフレミングの法則のように手で表現をするのは富山県民にとって常識?というお話で会場は盛り上がりました。

 

木と暮らしの制作所では、家具製作をメインで行い、森→木→暮らしという一方通行のものづくりではなく、森と木と暮らしが循環する取り組みを目指しています。

普通流通しない木のこぶを使ったプロダクトや、家具製造の時に出るチップを使ってこの チップを染めの材料にして高齢者施設の方と共同で商品開発することもあるそうです。

 

 

松原さんの暮らしは飛騨の四季の移ろいとともに多彩です。

自然の中に入っていくことが 、暮らしの一部になっていてそれがとても楽しいそう。松原さんが見せてくれた、友人と古民家をセルフリノベーションしている時の写真や、キノコを山に収穫に行った時、雪下ろし、雪遊び、焚き火会など、日常の数々の写真を見ると、四季を通して生活を満喫する様子が伝わってきます。

 

 

「仕事の話で登場した森と暮らしを繋ぐ部分、これって私が普段森と暮らしを楽しんでいる、まさにこの飛越の暮らしそのものなのかなと思っています」と今後の飛越ライフスタイルのあり方のひとつを定義するような言葉でまとめてくださいました。

 

 

 

トークセッション(後編)につづく

 

©️2023 株式会社飛騨の森でクマは踊る

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